2013年公開された映画『飛べ!ダコタ』の舞台となった地、高千地区。ダコタがこの地に不時着したことを記した石碑が高千地区にあります。
外海府海岸のほぼ中央部、高千村(当時)に昭和21年1月16日、一機の英軍輸送機(ダコタ)がエンジントラブルにより不時着しました。終戦後間もない時期、ほんの5か月前まで敵国だった英軍人達を高千の人たちは迎い入れ、彼らに協力し砂浜に石を敷き詰め滑走路を造りました。
その後、この事を記念した石碑が建てられました。しかし、この出来事は佐渡の中でも忘れ去られてしまいます。
その後、60年以上の歳月を経て、この英軍機の乗組員の息子さんが亡き父に代わってこの地を訪れました。これがきっかけとなり、映画『飛べ!ダコタ』が制作されました。
映画は全編佐渡島内でロケが敢行されました。ダコタが不時着したのは、ここ高千の海岸でしたが、映画のオープンセットは素浜(羽茂)に設置されました。不時着したダコタと同型の本物の機体も持ち込んで撮影されました。このオープンセットは既に解体され、撮影用のダコタも佐渡にはありません。
記念碑のすぐ目の前には、高千の海岸が広がっています。
高千はじめ、佐渡の多くの海岸は戦後の河川改修・治水事業などにより砂浜が小さくなってしまっています。(佐渡に限らず、新潟本土や全国各地で同様の現象が見られます)
そのため、実際に不時着したこの地での撮影を断念し佐渡の中でも広い砂浜が残っている素浜にオープンセットを建てたのではないかと思います。
とはいえ、映画撮影に当たっては監督や出演者も高千の地を訪れ、当時を知る方々の話を聞いたりと念入りな取材を行ったようです。もちろん、高千地区内でもロケが行われていました。