Posted by あらきやすし - 2016年5月31日
お遍路、といえば四国で弘法大師所縁のお寺八十八山を巡ること、、、
いつかお遍路に行ってみたいと思うけど、なかなか四国までは、、、という方も多いかと思います。
ところが、実は佐渡にも八十八カ所の霊場があり、お遍路めぐりができるのです。
お遍路はもともと四国が発祥ですが、全国各地にも同様の霊場があります。佐渡でも江戸時代に、四国の霊場の土を奉持し佐渡遍路が作られました。その後、廃寺された霊場もあったため、昭和の初期に一度「佐渡四国八十八ヶ所」として整理し直し、さらに平成16年に「再度整理されたのが、「佐渡八十八ヶ所霊場」です。
この春、佐渡の八十八カ所を巡るツアーが開催されるということで、参加させて頂きました。首都圏に事務局を置く「NPO法人佐渡遍路」さんが主宰するツアーで、首都圏をはじめとした佐渡島外から多くの人が参加します。毎年春に二十二山を巡り、四年で一巡となります。

佐渡八十八ヶ所霊場の幟
佐渡島内を回っていて、こんな幟を見かけた方もおられるのではないでしょうか?この幟のあるお寺が佐渡八十八ヶ所の札所になります。佐渡遍路の一番札所は 真野地区にある「国分寺」です。実はこのツアーは今年で6回目。既に二巡目に入っており、今年は二三番札所から四四番札所まで回ります。実は私、昨年に続いて今年は二回目の参加です。

ご住職が案内して下さいます
両津港から出発、バスでの移動です。佐渡のご住職が同行して下さいます。お遍路の巡礼先では般若心経を唱えます。事前にお経の写本が配布されます。
お揃いの半纏は、主催のNPOのオリジナルのもの(任意購入)。巡礼先に着いたら、お経を唱えます。

本殿の前で般若心経を唱えます
各札所は、いずれも由緒あるお寺です。境内や本堂の中も拝見させて頂きました。

佐渡最古のお寺と言われる国分寺(一番札所)

石名清水寺 木喰上人の木喰仏(二十二番札所)
お堂や仏像、本堂内の装飾など それぞれのお寺の違いを知る事もできます。お遍路は特定の宗派に限られてはいないので、様々な様式に触れる事も出来ます。また佐渡では明治維新の廃仏毀釈の後も、神仏習合のお寺も数多く残っています。

智光坊(五番札所)の本堂に 七福神の恵比寿様?
今回ご紹介したお寺は、八十八ヶ所の中でもごく一部です。また佐渡には280程のお寺が現存していると言われています。
ちなみに、お遍路は宗派はもちろん、信仰心の有無も問わないそうです。ツアーに参加するもよいですし、ご自分のペースに併せて巡るのも良いかと思います。佐渡のお寺を巡る事で、佐渡の歴史や文化・自然風土や季節を感じてみてはいかがでしょうか?
カテゴリ:佐渡の歴史, 佐渡旅日記, 神社仏閣 タグ: 佐渡八十八ヶ所, 佐渡遍路 -
[佐渡でお遍路に行ってみませんか?佐渡八十八カ所]へのコメントはこちらから
Posted by あらきやすし - 2014年12月23日
先日(12月14日)、恒例の「羽茂大市」が開催されました。寒波襲来の影響で佐渡も大雪となりましたが、多くの出店者・来場者で賑わいました。
「羽茂大市」は歳末に開催される、南部では大きなイベントです。その会場の一角で『文弥人形』の公演も催されました。
『文弥人形』は、国の重要無形民俗文化財にも指定されている佐渡の伝統芸能です。もともと佐渡金山で賑わっていた佐渡では人形芝居が盛んでした。明治になって、その「人形芝居」と“盲人の座語り”であった「文弥節」が結びつき「文弥人形」となりました。
百聞は一見に如かず、という事で実際の『文弥人形』をご覧ください。
「虫紋座」の皆様で、「源氏烏帽子折」の第一幕です。
第二幕、第三幕はこの日の昼過ぎ・夕方に分けて上演となりました。

通常は屋内で公演する事が多いのですが、この時は「ストリート文弥人形」と銘打ち、まさに路上に舞台を設置しました。羽茂大市会場は交通規制が掛かっていなかったこともあり、公演中も自動車や歩行者が舞台前を横切っています。
「伝統芸能を鑑賞する」環境としては、決して恵まれているとは言えませんが、このように身近なところで「伝統芸能」を楽しむ事ができるのは、佐渡の魅力の一つではないでしょうか。
カテゴリ:佐渡の歴史, 佐渡旅日記, 新潟の話題 タグ: 伝統芸能, 文弥人形, 虫紋座 -
[佐渡羽茂の「ストリート文弥人形」公演]へのコメントはこちらから
Posted by あらきやすし - 2014年10月29日
前回に引き続き、「北一輝と湊いっき」です。

北一輝の生家
こちらが、近代日本を代表する思想家の一人 北一輝の生家です。 堂々と「北一輝の生家」と看板が掲げられていますが、その面持は昔ながらの商店のよう。現在は、一般公開はされていませんが、この日は「湊いっき」という事もあり、ここで『北一輝展』が開催されています。

一輝の佐渡時代の写真や、親族・恩師の写真など
北一輝の幼少期の写真や、父母、中学校の恩師の写真などが展示されています。北一輝が佐渡で過ごした時代を中心に紹介しています。

北一輝 関連の書籍
そして、北一輝に関する書籍がずらり。と言っても、これは世に出た関連本のうちのほんの一部なのかもしれません。気になったのは・・・手塚治虫のマンガも。北一輝をモデルとしたと『一輝まんだら』という作品です。手塚治虫も魅了した北一輝・・・、まさに佐渡の郷土の英雄です。
ちなみに、北一輝の墓所も、両津地区にあるほか、湊地区内にある八幡若宮社には、顕彰碑も建立されています。

昭和の両津・湊の写真展
北一輝の生家からちょっと離れたところでは、昭和の両津・湊の写真展も開催されていました。

昭和の佐渡の写真展

佐渡の観光地図
昭和30年台?40年代?の観光地図です。海府(右上の方)と前浜(右下)はバス路線が無く(破線になっています)、代りに船が各集落間を結んでいました。また、小木から前浜を経由して新潟港へ靴フェリーも運行していたようです。

昭和39年のカーフェリーと昭和天皇・香淳皇后
左は、昭和39年のカーフェリー「おけさ丸」。現在の「おけさ丸」と比べるとずいぶん小さい船です。この年に開催された新潟国体(一巡目)の開会式の後、天皇皇后両陛下が、佐渡を訪問された時の写真です。御召船となった「おけさ丸」に、5隻の護衛船が随行したそうです。

新潟地震の津波
その8日後、新潟地震が発生しました。両津にも津波が襲来し、多くの家屋が浸水する被害を被りました。なかなか見る事が出来ない、貴重な写真をたくさん見る事が出来ました。
時間はお昼前、商店街は多くの人で賑わっています。もう1か所行きたい所があったので、そろそろ「湊いっき」の会場を離れることに。

マーカスのパンやさん
なにやら、やたら人が集まるブースが。。
ちょっと気になりつつ、適当に写真だけ撮って、次の目的地へ移動しました。(今思えば一生の不覚・・・)
なにはともあれ、両津の歴史や偉人の軌跡、さらに伝統芸能も楽しめる、素敵なお祭りでした。
カテゴリ:佐渡の歴史, 佐渡情報, 佐渡旅日記 タグ: マーカスのパン, 両津, 北一輝, 湊 -
[北一輝と湊いっき(その2)]へのコメントはこちらから