佐渡金山「江戸時代専門コース」Part3
「大切山坑」から車で移動、今度は山を下って相川市街方面へ。京町付近を通り抜け、「南沢疎水坑」の入口に到着しました。
入口からは水の流れる音とともに、冷気が漂ってきます。
現在も坑道から流れてくる水を疎水しているこの「南沢疎水坑」。そこに佐渡金山さんの知られざる“使命”も隠されています。
疎水坑内は照明も設置されていてます。現在でも水が大きな音を立てながら流れています。
この南沢疎水坑、開削されたのは元禄4年(1691年)から。総延長992mの疎水を僅か5年の歳月で完成したようです。大切山坑が14年掛かったのに比べると、とても短期間で完成させています。
6箇所から同時に掘り進んだと言われているのですが、貫通点の誤差は僅か50~60cm程。この時代にその精度の高さも驚きです。
江戸時代に手彫りで掘られたとは思えないほど、しっかりした造りの疎水内部。おや、側面に落書きが・・・
よく見ると「昭和十七年・・・」と書かれています。何時の時代にも、こういう落書きをしてしまう人って居るんですかね。
現在、世界遺産登録に向けて鋭意活動中の佐渡金山の遺構の一つです。落書きなんてトンデモない事なので、絶対止めてくださいね。
途中で、こんな機械が置いてあります。これは遺構ではありません。
坑道から湧き出る水は一見透明できれいなのですが、実は強酸性。そのまま川に流してしまう事ができません。
そこで佐渡金山さん(株式会社ゴールデン佐渡さん)は、この南沢疎水で、強アルカリ性の薬剤を使い、湧き水を中和しているんです。
現在、金銀などの採掘は行われていない佐渡金山。観光施設という一面の他に、こんな環境保全のための任務もあったんですね。
以上で全行程終了。概ね2時間くらいでした。(所要時間3時間程度と案内されていますが、当日の参加者数が少なかったため移動等に時間が短縮できました)
普段見ることの出来ない、佐渡金山の裏側、と言うか『本当の佐渡金山の姿』を垣間見ることが出来るコースでした。最初3,500円は高い?と思ったのですが、実際巡ってみて、これでこの金額は納得と思えました。
なかなかマニアックなコースです。いきなりこのコースを体験するのではなく、最初は宗太夫坑コース、次いで道遊の割戸コースなどを巡ってから、こちらに参加してみてください。
コースプランが変更になっています
2014年、「江戸時代専門コース」は「ガイド付 山師体験コース(当日受付可)」と「ガイド付 山師皆伝コース(要事前予約)」の二つのコースに再編されました。「山師体験コース」は大切山坑に、宗太夫坑道コースがセットなっており、「山師皆伝コース」は大切山坑と南沢疎水に宗太夫坑道コースがセットになっています。
Access:アクセス情報
車で両津港より国道350号線を佐和田・相川方面へ(佐和田より県道45号・31号経由)で約40分。
相川市街より車で佐渡金山・大佐渡スカイライン方面へ約5分。
[路線バス]8月1日~8月31日の期間中一部路線のみ佐渡金山まで直通します。両津港より本線乗車(約70分)佐渡金山下車。
link:関連リンク
- 史跡 佐渡金山
- 佐渡金山の公式サイトです。金山の歴史や見学コースの紹介、入館料、営業時間などの詳細はこちらでご確認下さい。
- 「佐渡金銀山を世界に」ホームページ
- 「佐渡を世界遺産に」佐渡金山をはじめとした「佐渡金銀山遺跡」の世界遺産登録活動を担当している佐渡市役所世界遺産推進課さんのサイトです。